DNSサーバのゾーン情報設定
ORIGIN設定
設定するドメインを指定
$ORIGIN [ドメイン名]
例)
$ORIGIN example.com.
TTL設定
有効期限の設定「Time To Live」
$TTL [有効期限(秒)]
例)
$TTL 3600
通常3600(1時間)くらいの値を設定しておくが、ゾーン情報を変更する場合は事前に数値を300(5分)程度にしておく
事前に数値を小さくしておかないと意味がない
変更後は3600(1時間)くらいの数値に戻す
エントリ名(さくらサーバの場合)
エントリ名:[ここに任意の文字列を記入].example.com
サブドメインなしの「example.com」の場合は以下のように記入。
@.example.com
サブドメインありの場合は以下のように記入。
sub.example.com
値の書き方
IPアドレスやエントリ名で設定したドメイン名を入力する。
FQDN(Fully Qualified Domain Name:省略せずにすべて記述する絶対ドメイン名)を入力する場合は末尾に「.」をつける。
ドメイン名を記述するときに、末尾に「. 」(ドット)をつけることに注意。
ドットを付けた状態で正しいFQDNとして定義される。
末尾に「.」をつけないと$ORIGIN で指定したドメイン(さくらサーバ:エントリ名)が末尾に追記される。
例)「sub.example.com」(末尾「.」なし)を入力すると「sub.example.com.example.com」を指定したことになる。
@はそのドメイン自身を表す。($ORIGINで指定された値か「named.conf」で指定したゾーンの名前)
サブドメインなし
サブドメインなしの場合は以下のように記述。(!末尾に「.」あり)
example.com.
もしくは
@
サブドメインあり
サブドメインありの場合は以下のように記述。(!末尾に「.」あり)
sub.example.com.
もしくは(!末尾に「.」なし)
sub
SOA:ゾーンの基本情報
[名前] IN SOA [DNSサーバホスト名] [何かの際のメールアドレス] (
シリアルナンバー:通常は日付+2桁番号で計10桁で記述 YYYYMMDDNN
リフレッシュ:マスターの変更をスレーブが確認する時間
リトライ:スレーブがマスターにアクセスできなかった時のリトライ時間
ゾーン情報の有効期限:スレーブがマスターにアクセスできなかった時にゾーン情報を破棄する時間
存在しないドメインに関するキャッシュの有効期限 )
何かの際のメールアドレス
何かの際の連絡先メールアドレスは「@」を「.」に置き換えて記述「info@example.com」は「info.example.com」になる。メールアドレス内に「.」が使われている場合は「¥.」と記述。「web.info@example.com」は「web¥.info.example.com」と記述。
シリアルナンバー
通常は日付+2桁番号で計10桁で記述し、変更後は前回の数値より大きくなければいけない。
時間
時間は「秒」で指定する。
例)
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)
「IN」は決まり文句「Internet」の意味。
NS:ゾーンを管理するDNS(ネーム)サーバ
@に対するネームサーバ指定、もしくはサブドメインを別のレンタルサーバで運営する際に記述する。
[ドメイン名] IN NS [DNSサーバ名]
例)
aaa.example.com. IN NS ns1.dns.com.
@に対するネームサーバはINの前に何も記述しなくてよい。
例えば以下の設定の場合の記述。
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. |
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
A:IPアドレス
ドメインを使用するレンタルサーバのIPアドレスを設定する。
[ドメイン名] IN A [IPアドレス]
例)
www.exmaple.com. IN A 192.168.0.1
@に対するネームサーバはINの前に何も記述しなくてよい。
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. | |
A | 192.168.0.1 | |
www | A | 192.168.0.1 |
sub | A | 192.168.0.1 |
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
IN A 192.168.0.1
www.example.com. IN A 192.168.0.1
sub.example.com. IN A 192.168.0.1
CNAME:別名
値で設定したホストと同じ設定になる(IPアドレスでの設定はできない)
[別名] IN CNAME [元のドメイン名]
例)
www.example.com. IN CNAME @
もしくは
sub.example.com. IN CNAME www.example.com.
IPアドレス「192.168.0.1」のレンタルサーバにサブドメイン「www」と「sub」を設定する場合は以下の記述。
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. | |
A | 192.168.0.1 | |
www | A | 192.168.0.1 |
sub | A | 192.168.0.1 |
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
IN A 192.168.0.1
www.example.com. IN A 192.168.0.1
sub.example.com. IN A 192.168.0.1
CNAMEを使用した場合は以下の記述。
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. | |
A | 192.168.0.1 | |
www | CNAME | @ |
sub | CNAME | www.example.com(@でもよい) |
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
IN A 192.168.0.1
www.example.com. IN CNAME @
sub.example.com. IN CNAME www.example.com.
どちらも同じ設定だが運営するレンタルサーバが変わった時にAのみで記述した上の場合だと「192.168.0.1」部分をすべて新しいレンタルサーバのIPアドレスに変更しなければいけない。
CNAMEを使用した下の記述の場合はエントリ名「@」の「192.168.0.1」のみ新しいレンタルサーバのIPアドレスに変更すればよいので便利。
MX:メールサーバ
メールサーバを設定する(IPアドレスで設定はできない)
[ドメイン名] IN MX [優先度] [送信先メールサーバ]
例)
example.com. IN MX 10 mail1.example.com.
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. | |
A | 192.168.0.1 | |
MX | 10 mail1.example.com. | |
MX | 20 mail2.example.com. | |
MX | 30 mail3.example.com. | |
mail1 | A | 192.168.0.1 |
mail2 | A | 192.168.0.2 |
mail3 | A | 192.168.0.3 |
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
IN A 192.168.0.1
IN MX 10 mail1.example.com.
IN MX 20 mail2.example.com.
IN MX 30 mail3.example.com.
mail1 IN A 192.168.0.1
mail2 IN A 192.168.0.2
mail3 IN A 192.168.0.3
@に対するネームサーバはINの前に何も記述しなくてよい。
同じ設定の別の書き方
エントリ名 | タイプ | データ |
---|---|---|
@ | NS | ns1.dns.com. |
NS | ns2.dns.com. | |
A | 192.168.0.1 | |
MX | 10 mail1 | |
MX | 20 mail2 | |
MX | 30 mail3 | |
mail1 | A | 192.168.0.1 |
mail2 | A | 192.168.0.2 |
mail3 | A | 192.168.0.3 |
テキストで書いた場合は以下になります。
$ORIGIN example.com.
$TTL 3600
@ IN SOA ns1.dns.com. info.example.com. (
20180202
10800
600
864000
86400)IN NS ns1.dns.com.
IN NS ns2.dns.com.
IN A 192.168.0.1
IN MX 10 mail1
IN MX 20 mail2
IN MX 30 mail3
mail1 IN A 192.168.0.1
mail2 IN A 192.168.0.2
mail3 IN A 192.168.0.3
MXの値は「優先度 メールサーバホスト名」と記述。優先度は数値が小さいほど優先される。
上記の場合「任意の文字列@example.com」宛にメールが送信されると優先度の数値が一番小さい「192.168.0.1」にメールが送信される。サーバの応答がない場合は次に優先度の数値が低い「192.168.0.2」にメールが送信される。
IPv6:AAAA
IPv6を使用してサーバ運営する際に使用
[ドメイン名] IN AAAA [IPアドレス]
例)
sub.exmaple.com. IN AAAA 8fe0::8f61:ac8:30cd:a16e
TXT:テキスト
コメントを記述する際に使用する。「”」で囲んで記述する。
[ドメイン名] IN TXT [コメント]
例)
exmaple.com. IN TXT “コメント”
DNSチェック(さくらサーバ)
設定に誤りがないか確認
最後に
フリーテキストで記述した場合は最後に必ず改行を入れる
改行を入れていないと最後の行の設定が無効になるので注意